ディープテック産業開発機構 機構長からのご挨拶
東京農工大学は、「使命志向型教育研究-美しい地球持続のための全学的努力」を基本理念とし、本学の強み・特色である「食料」「エネルギー」「ライフサイエンス」「環境」を重点4分野に位置付け、先端的な教育と研究の活動成果を活かした国際貢献や社会実装を中心的なミッションの一つとして掲げています。
「ディープテック産業開発機構」では本ミッション実現のために、イノベーション・エコシステムの形成に注力し、企業・大学・公的研究機関などの連携・共創の場となるオープンイノベーション拠点形成と、多様な分野で機動性を活かした挑戦を行うスタートアップ支援を両輪とした、新産業の創出や産業構造の変革を目指す取り組みを推進しています。
具体的には、平成30年度に学長直轄のオープンイノベーション拠点として「フロンティア研究環」が設置されました。本研究環では、東京農工大学の強みである基礎科学と農学工学の先進的な実学を結びつけ、そこから創出される科学技術イノベーションにより近未来社会の問題解決に貢献する場として7拠点を設置しました。「ディープテック産業開発機構」は、これらの拠点を中心とした「組織」対「組織」の大型共同研究プロジェクトの獲得や、政府系のコンソーシアム事業等を推進しています。一方、令和3年度には「イノベーションガレージ」を設置し、多様な分野で機動性を活かしたスタートアップに挑戦する学内教員に対し、教員の持つ基礎技術の事業化や社会実装を、各事案に即してシーズプッシュとニーズプルの両面から支援をしています。さらに、学生を対象とするアントレプレナーシップ教育の場として「テックガレージ」を新設し、学生たちの自由な発想に基づく起業支援の取組みも開始しました。これにより、教員・学生相互の切磋琢磨による起業の促進を目指します。
今後「ディープテック産業開発機構」では、フロンティア硏究環で活動する各拠点の研究領域を融合し、領域横断的な研究テーマを拡充していくことで、オープンイノベーション化の一層の拡大と、大型共同研究による産学連携を推進して参ります。また、社会実装への意欲をもつ若手研究者や学生を対象に、引き続きイノベーションガレージやテックガレージにおいて多様かつ柔軟な事業化の可能性を支援し、起業するに留まらず、起業した後の事業拡大や新たな産業構造への変革を目指します。
今後とも引き続き、皆様方からのご支援を何卒よろしくお願い申し上げます。
ディープテック産業開発機構 機構長
長澤 和夫